2008年05月05日

今不足しているもの

 ’50年代にどうしてすごいデザイナーが沢山いるのかと考える時、それは戦争でいろいろなものを破壊しちゃった後だからなんだ。アメリカもヨーロッパもそう。イームズだって戦時中、武器のデザインをしているわけで。当時は家具や家庭用品なんてみんな作ってない。飛行機とか爆弾作っているんだから。イギリスやフランスでもみんなそう。だからデザインへの欲求がすごいあって、それが戦後になって爆発したんじゃないかな。あとは、体制がひっくり返って、負けた方も勝った方も価値観の転換があった。僕の場合はそれが高校から大学に上がる前ぐらいでね。その洗礼を受けた者と受けていない者がいるとすれば、受けていない者は、デザインをできないんじゃないかな。ただ「かっこいい」だけじゃあね。だから、今不足しているものがあるとすればそれだよね。自分の生活を足元から見つめたことのない人は、デザインを続けていくことはできないよ。そういう意味では、僕は一番飢えていた世代なのかもしれないね。

森正洋作品集「セラミック スタンダード」より


posted by sken at 21:21| ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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